提供 : 脳内メーカー



dolce.01






ある日、【ビアンコ】を訪れたお客様に提案されて、スタッフが<<脳内メーカー>>なるものを試してみた――。


フレンツォ・ロッティ オーナーの脳内
ターニャ「………」
フレンツォ「……」
ターニャ「……本人と同じで、何の面白みも無い脳内ね」
フレンツォ「!! ヒドっ! ちょっと、それ旦那に言う言葉!?」
ジーノ「まあまあ。【金】なんて、仕事熱心な証拠な感じしますけどね。お疲れだから【休】も欲しいのでしょうし」
フレンツォ「ま、ソツの無いフォローね!!」
ターニャ「っていうか、この馬鹿甘やかしすぎよジーノ」
コルディオ「……ターニャは何怒ってんだ(呆)」
クラウス「喧嘩でもしたんじゃねーの?」
フレンツォ「……」
ターニャ「……さ、次行きましょ!!」


オット・ダントーニ カメリエーレ長の脳内
オット「!!」
ターニャ「何か意外に欲望塗れなのね!!」
オット「……!!」
クラウス「はん。ムッツリの典型だな」
オット「……ふん。こんなモノが何だというんだ。所詮お遊びだろう(平静を保ちつつ)」
ルーカ「でも、オットの中にも【愛】とかあるんだね。良かったじゃん、サン(サンドロ)ちゃん」
サンドロ「オレは周りの【欲】が気になるけど」
フレンツォ「やっぱり貴方も【金】は入るわよね。上に立つものとしては常に考えなきゃいけないことだし」
オット「それは当たり前です(何故かチラリとサンドロを見ながら)」
サンドロ「……よし、次!」


ジーノ・デ・シーカ カメリエーレの脳内
ルーカ「あ、何かすっごくジーノっぽい感じする」
イジョール「そう、だね。何より【友】っていうか周りを優先しているところとか」
ターニャ「何時もみんなの間に入って、疲れているんでしょうね。ごめんね、ジーノ」
ジーノ「いえ、そんな……」
コルディオ「誰かさんたちにも見習って欲しいですよね」
ターニャ「……なんであたし見て言うのよ」
アーノン「トラブルメーカーの自覚無し?」
ターニャ「あん!?」
ジーノ「その明るさがターニャの魅力でしょう?」
ターニャ「ジーノ!!(キラキラした目で)」
ルーカ「流石、ジーノ!!」
フレンツォ「っていうか、アタシん時と態度ちがくない!?」
ターニャ「日頃の行いじゃない?」
ジーノ「……次に、行きましょう」


イジョール・ガブリエリ カメリエーレの脳内
コルディオ「イジョール、お前……顔に出さないけど、実は【H】……」
イジョール「わー!! ち、違うよっ!!」
ターニャ「イジョール……」
イジョール「ターニャまで、あの、誤解しないで?」
ターニャ「誤解なんてしてないわよ。コルディオのへたくそさに【悩】んでんでしょ!?」
アーノン「あー成程。そういう事なら指南してあげようか?(コルディオを見つつ)」
コルディオ「っていうか可愛そうな目で見るな!!」
イジョール「ち、違う!! あの……」
ルーカ「下手糞には下手って言ったほうがいいよ?」
イジョール「そんな事!! コルディオは優しくて、不満なんか――っあ!」
コルディオ「……イジョール(じーん)」
ターニャ「……ゴチソウ様。っていうか、もう勝手にやって! 次!」


クラウス・ルネッリ 用心棒の脳内
ターニャ「ああ……なんか、納得って感じよね。【善】だけっていうのは腑に落ちないけど」
コルディオ「意外に面倒見いいしな」
クラウス「オレは納得いかねぇ!!」
ターニャ「何でよ。いいじゃない、善人っぽくって」
アーノン「そうだよ。まあ悪人顔だからそうは見えないけどね!」
クラウス「おぉい!!」
フレンツォ「クラウスは昔から善い子よ〜♪」
クラウス「いらねぇフォローするな!!」
ジーノ「僕も、クラウスにはお世話になりましたし……」
クラウス「やめてくれ!!」
ターニャ「クス。照れてる♪」
クラウス「もういいっ! 次っ!!」


ターニャ・ヴォルタ カメリエーラの脳内
全員「……(絶句)」
コルディオ「お前って……」
ターニャ「な、何よぉ!!」
フレンツォ「あんたまさか、金目当てでアタシと結婚したんじゃないでしょーね!?」
ターニャ「何ですって!?」
オット「それは言い過ぎ……何泣いてるんです、オーナー」
フレンツォ「だってさっきの態度といい、愛が無くない!?」
ターニャ「そういう事言う? 大体あんたがプロポーズしてきたんでしょーが! あたしが何時結婚してくれって言った!?」
フレンツォ「まあ!!」
ターニャ「大体あたしはね、好きじゃなきゃ結婚なんてしないんだからね!?」
フレンツォ「っっっ!!!」
ユウ「ウザイいから次……(ターニャを抱きしめているフレンツォを横目で見つつ)」


ニコル・ラウロ シェフ長の脳内
アーノン「え、【金】って……これまた意外な……」
ニコル「ああ、今金貯めたいんだよ」
フレンツォ「あら? 結構あげてると思ったんだけど、まだ足りない?」
ニコル「いや、じゃなくて……引越し資金が」
アーノン「何、引越しするつもりなの」
フレンツォ「今の家やなら、ウチ来る?」
ニコル「新婚家庭の邪魔なんか出来るかよ。何の為にクラウス達がそこ出てったんだ」
ターニャ「っていうか、何で引越し?」
ニコル「あー……」
アーノン「何?」
ニコル「……もちっとでっかい部屋に越してぇなあ、とか(ボソリ)」
ルーカ「ああ、アーノンと住みたいんだ?」
ニコル「っ!!(真っ赤になる) 〜〜つ、次いくぞ!」


コルディオ・アウトーリ シェフの脳内
ターニャ「……あんたも、まさかイジョールと住みたいとかそういう話なわけ?」
コルディオ「いいだろ、別に……」
アーノン「実家暮らしじゃ流石に呼びにくいもんなぁ、しかも男の恋人じゃ」
イジョール「……」
ニコル「でも半分を【食】が占めてるのは、お前もやっとシェフらしくなったって所か」
オット「そうだな、少し見直した」
ターニャ「あら、意外にもお優しい言葉」
オット「……間違った評価を今までしていた覚えは無いが?」
アーノン「でもさ、そんならイジョールの家に住み着いちゃえばいいんじゃないの?」
コルディオ「せっかくニコルさんが話そらしてくれたのに、何で戻すんだよっ!!」
アーノン「面白いから」
イジョール「……次、いきません?」
コルディオ「ってか、何でイジョールは暗いんだよ!!?」


ユウ・タキシマ バーテンダーの脳内
一同「…………(絶句)」
ユウ「……何か文句でも?」
アーノン「天邪鬼なお前らしいな」
フレンツォ「あら、ユウは素直な良い子よ?」
コルディオ「オーナーは見る目があるんだか無いんだか良く分かりません」
ルーカ「これ、僕どうとっていいの?」
ユウ「どうにでも取れば?」
ルーカ「冷たっ!!」
ユウ「こんなの、たかが遊びだろ?(ふいに踵を返し、退出)」
クラウス「その意見には激しく同意だが、コメントに困るなアイツの脳内」
ターニャ「あら、分かりやすいと思うけど?」
ルーカ「どこが!?」
ターニャ「ふふん、自分で考えたら? さ、次いきましょっ」


アーノン ソムリエの脳内
コルディオ「これもどうなんだ?」
ルーカ「んー。まさにその通りって感じがする。良く分かんないけど」
アーノン「分かんないのかよ!!」
ターニャ「でもあんた悪知恵に関してはクラウスをも凌ぐし」
ニコル「そうやって仮面被って内面弱い、みたいな所あるよな」
アーノン「はぁ!?」
ターニャ「意外に打たれ弱いし、繊細だし?」
コルディオ「あー確かにっ」
アーノン「――ちょっと、黙ってくんない?」
フレンツォ「そこがアーノンの魅力でしょう?」
ニコル「だ、そうだぞ?」
アーノン「……後で覚えてろよ、万倍にして返す!!」
ターニャ「そういうところが、まさによねぇ」
アーノン「……ほら、次行くぞっ」


ルーカ ソムリエの脳内
アーノン「……お前ってほんと、頭ん中まで平和だよな……」
ルーカ「えー。そう?」
ターニャ「一応言っておくけど、褒められてないわよ?」
ルーカ「え、何で?」
ジーノ「でも、何だかほのぼのしますね」
コルディオ「それは確かに。何か色んな事が馬鹿馬鹿しくなる」
ニコル「何かあれだよ、こいつはマイナスイオンでも出してんじゃないかって気がする」
ターニャ「っていうかペット? 見ているだけで和むっていうか」
ルーカ「あ、犬っぽいとか良く言われるよ。アーノンは猫っぽいって言われるのに、何でかな?」
クラウス「駄犬だな」
ルーカ「それ、どんな犬?」
アーノン「――阿呆っ!!」
ルーカ「……何で怒ってるの?」






2009/04/05