花火



舞い上がる華に 孤独を思う

闇に浮かぶその姿に 目を奪われながら



堕ちて逝く光を 美しいと思う

滑り来る先に 何も無い故に



綺麗だと言葉にするのは簡単なのに

その全てを伝える術をも持たなくて

夏の夜空に咲く花を ただ見つめてた



漆黒の中の微笑を映して

儚く散っていく火の華



一様に空を仰ぐ人々

滑稽かもしれない

けれどだからこそ こんなにも暖かな気持ちになる



変わりゆく世界でいつまでも

いつまでも 変わらないモノもあると

舞って散る儚さで

伝えるのかもしれない



だからこそ 美しいのかもしれない



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