驕る者はやがて知るだろう

這い蹲り生きる者の強さと

走り続けた者の意志と

戦い続けた者の誇りと

そして 地獄から這い上がった者の憎悪を



見上げた空に 彼らが居るのか

その高みから 見下ろしているのか

笑っているのか 幸せだろうか

考えても答えは出ない

答えは まだ 出ない



遠く 微かに 声がする

あれは 滅びた国から

それは 斃れた人から

呪いにも似て

希望にも似た

遠く 微かな 声がする



何が本当で

何が嘘で

何が夢で

何が虚像で

何が運命なんだろう



何時か 笑えるのかな?

失った痛みを 押し込めて

傷付いた心は 癒されて

何時か 笑えるのかな?


何時か、記憶になるのかな?



悔やむのは あの日

惑うのは この日

掲げるのは 何時かの日

別れは 遠い日


さよなら 今日



あの日潰えたものは

泡沫の平和と

未来への展望と

確かな庇護と

暖かな眼差しと


それは数え上げたらキリがない



過去の平安は 泡沫と言えど

全て管理された 平和と言えど


それでも 願ってやまないのは


もう 戻れない過去の幸福



闇夜に月は無く

朝はまだ遠い

だから彼の人を思い出し

過ぎた安寧を想う



希望は過去と共に潰えた



空を飛ぶ鳥は堕つ

海を泳ぐ魚は沈む

緩やかな時の中で

終わりの鐘が鳴り響く



命の儚さを

自身の無力さを

失われた大地を

悼む歌は 遠くに消える――



 嵐の後の静けさを思う。

戦の前の恐ろしさを思う。

微笑みの先の幸せを思う。

そして。

残された者の悲しみに傷む。



 さあ剣を持て。

炎を胸に。

微笑を面に。

最期まで剣を持て。



 裏切りには復讐を。

殺意には刃を。

微笑には安息を。



 裏切りを知らぬ娘よ。

 その穢れなき魂で、我らを救いたまえ。

 その揺ぎ無き力で、我らを導きたまえ。



始まりと終わりと。



そこから、私は歩き出す。



異界より呼び覚まし異形を

血の 呪 によって繋ぐ

ソを従えるは クライ・ローズ


ここに 新たな力を結ぶ