繋いだ手を離さないで
何時か君は言ったよね。
「毀れ落ちる物を繋ぎとめる力が無いから、
最初から受け止めることを放棄しているんだ」
って。
達観したように、
それでも、
少し寂しげに微笑んで。
僕は返す言葉を知らないことが悲しくて、
君にとっての僕の存在価値のちっぽけさが、
ただただ、
悔しくて唇を噛んだ。
君の予想通りその手から毀れ落ちた僕は、
今、
君の言葉ばかりを思い出す。
何時かの君は色褪せないまま、
声無き声がリフレインする。
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