水槽

私は窓際の小さな水槽から、広い世界を眺めていたの。 自由になるつもりで庭先の池に飛び込んだけれど。 結局は水槽の大きさが変わっただけで。 世界にとっては何てちっぽけな。 私はきっと、誰にも知られずひっそりと絶えるのでしょう。 でも、満足よ。 この充足感はきっと、願うだけでは得られなかった。 自分で勝ち取った自由なのだわ。 水槽の大きさが変わっただけだって。 私はこんなにも、自由に泳げるの。 このちっぽけな世界で、私は私を生きたのだわ。

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