「生まれた事に意味はあるのか」
羽虫が耳元で鳴いた
太陽は小さく呟く 「意味は無い」
羽虫は啼きながら、燃える太陽に飛び込んだ
「意味は無い」
消えていく命を見つめながら、太陽は言う
「意味は自分で見つけるもの
生まれてきた事自体に意味は無い けれど死んでいく前に、自分に問うと良い
産声を上げて生まれ落ちたこの世界が 自分にとって一体どんな世界だったのかと
ただそこに一片の綺麗な世界が広がるのなら
その世界に出逢えた事こそに
意味があったのでは無いのか、と」
羽虫は滅びいく中で、歌う
「私は私を生きた
もう一度生まれ変わっても
私はこの世界の片隅で 私として生きたい」
太陽は笑う |