今日も見る夢
「イジョール」
「イジョーッル」
少し変わった僕の名前を呼ぶ、君の声はひどくセクシーな低音。
僕は目を閉じて、耳を澄ます。
「イジョール!!」
返事が返らない事に焦れて、吃音交じりのそれ。
悪戯心に僕は、密かな微笑みを漏らしながら木立に隠れる。
「イジョール!!!!!」
遠くなる君の声に、鋭いブレーキ音が重なった。
――繰り返し繰り返し、僕を苛める、君の最後の記憶。
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