教鞭を振るうかのように朗々と、彼は言いました。 「本日議長として議事・進行をさせて頂く優親です」
プリントを配りながら彼は続けました。 「皆さんの意見を平等に結び付ける為、以上の制約を設ける事とします。記載の内容に何かございましたら、どうぞ」
僕らは一様に目線を落とす。
原則として、議長の票は無効――議長はあくまで中立である為 可否は全て多数決――後に問題を引き起こさない為 賄賂禁止――誤解を招く恐れがある為 恋人没収――平等を期する為 休憩一分五十円(トイレ含む)――平等に 意見を述べる時は挙手し、議長の指名の後。議長は右回りを基本として意見を求める――議長のつむじか右回りである為。
以下、つづく
利に適っている様で、どこかふざけた文面
彼は最期にこう締め括った。
「繰り返しますが、少しでも真剣さに欠ける方には、退出して頂きますので」
満場一致で彼を放り出した。
議長不在で、議会は持ち越しとなる。
プルルル……ガチャ 【はい。こちら○ー人事です】 |