星の大海原を、汽笛を鳴らして汽車が行く。
永遠を目的地に鉄道を走る。
ぼーと車窓から闇を眺めていたら、向かい側に人の腰掛ける気配。 どこかで見かけた気がして凝視してしまった僕に、君が気付いてほほえんだ。
あ。 やっぱり似てる。
――ダレニ?
「恐い?」 突然に尋ねられた声は優しかった。 僕はぶんぶんと首を振る。 彼は小さく笑う。 やっぱり僕は彼を知っているような気がした。 「淋しい?」 僕は首を振り掛ける。
ああ、でも。
「君を思い出せない事は、少し」
彼は苦笑して名前を名乗ってくれたけど、僕にはどうしてもわからなかった。
それが悲しくて、僕は少しだけ泣きたくなった。 |